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宿里充穂リサーチアソシエイト、佐古健生リサーチアソシエイトが第6回日本分子イメージング学会 最優秀発表賞を受賞


2011年5月26日~27日に神戸で開催された第6回日本分子イメージング学会において、分子プローブ機能評価研究チームの宿里充穂リサーチアソシエイト、細胞機能イメージング研究チームの佐古健生リサーチアソシエイトが、最優秀発表賞を受賞しました。 この賞は、本シンポジウムにて生体内分子をイメージングしてその機能を探る研究発表のポスター104題のうち、優秀と認められた7名に授与されたものです。
各発表演題は以下のとおりです。

(宿里リサーチアソシエイト)

「LPS誘発脳内炎症における活性化マイクログリアのイメージング」"
宿里 充穂1, 高島好聖1,徳田恵子1,松村 潔2, 土居 久志1, 鈴木 正昭1, 渡辺 恭良1, 尾上 浩隆1,
1.理化学研究所 分子イメージング科学研究センター 
2. 大阪工業大学 工学部生命工学科

炎症原因物質の生成酵素であるCOXは、炎症性疾患の診断や治療薬開発の標的として注目されてきました。COXには、正常時にも一定量発現しているCOX-1と、免疫反応や炎症刺激によって誘導されるCOX-2の2つのタイプが知られていますが、COXが神経変性疾患の発症に具体的にどう関わるかについては不明のままでした。COX1を標的とする新しいPETプローブを開発し、脳内炎症過程の初期にCOX-1の機能が亢進している様子を生体脳で可視化することに成功しました。
 本研究成果は、米国の科学雑誌 "The Journal of Nuclear Medicine"(2011年7月号) に掲載予定です。
詳しくはこちらをご参照ください。


(佐古リサーチアソシエイト)

「ソマトスタチンアナログを用いた膵内分泌細胞イメージング」
佐古 健生1,2,3, 長谷川 功紀1, 崔 翼龍1, 和田 康弘1, 林中 恵美 1, 片岡 洋祐1, 千田 道雄1,2,3, 渡辺 恭良1
1. 理化学研究所 分子イメージング科学研究センター 
2. 神戸大学大学院医学研究科 
3.先端医療センター・映像医療研究開発部門・分子イメージンググループ

近年、糖尿病において、血糖値上昇などの臨床所見が顕在化する前から膵β細胞数が減少することが明らかになり、膵β細胞の量的変化を知ることが糖尿病の早期診断や治療に有益であると考えられています。本研究では、PETを用いた侵襲性の低い膵β細胞数の測定法を開発するため、膵β細胞を特異的に認識する数種の薬剤を標識し、動物を用いたPETイメージング実験を実施して、それらの比較検討を行った結果、いずれのPETプローブも膵臓に高い集積を示し、その有用性が示唆されました。