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分子イメージング標識化学研究チーム > 概略
- 分子を輝かす -
生体機能探索化合物や薬剤候補化合物のPET分子プローブ化と、新しい標識化学反応の開発に向けて研究を行っています。
当研究チームでは、分子イメージング創薬化学研究チームとの連携下に、PET研究の推進に必要な短寿命PET分子プローブの一般的合成法の開発を行っています。とくに、有機化学の力量を生命科学研究に展開すべく、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Cu(銅)などの有機金属触媒を用いた新しいPET分子プローブの合成法の開発に取り組んでいます。主要研究課題の一つとして、これまで鈴木正昭教授(創薬化学チームリーダー)の総括下に、生物活性有機化合物の炭素骨格上への短寿命
11Cの導入を目指して、Pd触媒を用いた高速
C-[
11C]メチル化反応の開発を行ってきました。本反応は、わずか5分で最小の炭素置換基である[
11C]メチル基を炭素骨格上に導入できる革新的標識法です(左図上:標識実例)。現在、本反応は、
18F核種(半減期約110分)の導入を可能とする高速
C-[
18F]フルオロメチル化反応にも拡大・進展しており(左図中)、さらなるクリック化学反応との組み合わせにより、低分子のみならず高極性化合物であるオリゴ核酸やタンパク質などの標識化への展開が可能です。
また、PET分子プローブの合成現場においては、標識用合成装置の性能は事実上の生命線です。そこで、
11Cや
18Fなどの短寿命放射性核種を高収率で安全かつ速やかに導入することを目的として、従来の標識化学の視点だけでなく、合成化学の原点である有機化学実験法に立脚した標識用合成装置の開発も行っています(左図下)。このように有機化学を基盤として、合成化学的にも効率的かつ理想的な標識法による理研オリジナルPET分子プローブの創出およびそのライブラリー化を目指しています。
研究チームへのご連絡は下記より受け付けております。
[研究内容についての問い合わせ先]
土居 久志 TEL 078-304-7130 Mail
[研究以外の問い合わせ先]
河合 保子 TEL 078-304-7130 Mail