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分子イメージング標識化学研究チーム > 概略
当研究チームでは、分子イメージング創薬化学研究チームとの連携下に、生命機能の解明ならびに創薬プロセスの加速化・革新を目指して、PET研究推進のための基盤研究となる短寿命PETプローブの一般的合成法の開発を行います。とくに、有機化学の力量を生命科学研究に展開すべく、創薬候補化合物のPETプローブ化と新しい標識化学反応の実現に向けて研究を行います。ならびに、有機金属化学に対応した標識用合成装置の開発やPETプローブの高効率合成法を確立することにより、ヒト臨床PET試験にも対応した高品位の理研オリジナル分子プローブの創出を目指します。
主要研究課題の一つとして、私達は生物活性有機化合物の炭素骨格上への
11Cの導入を目指して、最小の炭素置換基であるメチル基に着目し、炭素-炭素結合反応による高速
C-[
11C]メチル化反応の開発を行っています。これまでに、有機スズ化合物あるいは有機ホウ素化合物と[
11C]ヨウ化メチルを用いたパラジウム触媒によるクロスカップリング反応の開発に成功しました。本反応はわずか5分で[
11C]メチル基を炭素骨格上に導入できる革新的合成法であり、世界的にも大きな注目を浴びています。その他に、下記の3課題の実現に向けて鋭意研究を行っています。
(1)創薬候補化合物のPETプローブ化と新しい標識化学反応の開発
(2)有機金属化学に対応した標識用合成装置の開発
(3)ヒト臨床研究に向けたPETプローブの高効率合成法の確立