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分子イメージング創薬化学研究チーム > 概略
当研究チームはPETによる生体内動態研究を中心として、創薬候補物質の探索に必要な分子科学的方法論の確立を目指している。具体的には、高品位オリジナルPETプローブの創出のために短寿命かつ超微量ポジトロン放射核種、とくに
11Cに対応した高速メチル化反応を中心に新化学反応を開発し、この反応を重要な生物現象や重篤な疾患をターゲットに分子設計された高機能分子のPETプローブ化に応用する。上記で誕生したPETプローブ化の技術は創薬研究の観点から、とくに薬効および病態評価のための標的マーカーの創製と薬物の体内動態の最適化および標的分子の分布の解析のために活用される。また合成装置の精密化、ミクロ化、および合成操作の安全性の向上等に関しては関連産業との共同研究を進める。本研究の[
11C]メチル化法は、従来の方法を凌駕する多くの利点がある。第一に、標識部位は炭素−炭素結合であるため化学的かつ代謝的に安定であり、PET画像の信憑性を保証する。第二に、メチル基は最小の炭素置換基であり、導入位置への自由度が高く、また極性の変化も最小限に留めることができる。すなわち、リード化合物の機能(生物活性)の変化を想定の範囲内に設定して分子プローブの設計を行うことができるのである。